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平気で嘘をつく人たち
2005-04-09 Sat 05:00
 『平気でうそをつく人たち』読了。1997年に話題になった本らしいけど、そういう流行とは無縁に生きている私は2年くらい前に古本として購入して、そのまま未読で放置してました。作者はアメリカの精神分析医。心理学的に「邪悪な人間」というものを定義して、その対応と治療の足がかりにしたい、という主旨の本でした。


 ここはナーガサイトなので悪といえば阿含ちゃんであり(笑)彼を理解するうえで役に立つかもしれないと期待していたのですが、結論からいうと本書に例示されているのはぜんぜん違う種類の悪でした。いわゆる悪の美学とかいったものは皆無です。気持ち悪くて惨めな、弱さを原因とした異常性ばっかり。
 この本がアメリカで出版されたのは1983年なので医学的には時代遅れなものなんだろうと思います。著者も認めているように彼のいう“邪悪な人”というのは人格障害の一種として認識されているはずです。症例としてあげられているような人たちは2chのメンヘル板に行けばけっこうゴロゴロしています。境界性人格障害って奴ですね。

 サイコパスな人間というものにはもともと興味があって、興味本位で調べることも多いんですが(それをネタに話を書いたこともある)、実際に周囲にいると本当に迷惑で……以前の日記にも書いた職場の上司のオバサンがこの本に出てくる症例とそっくりだなーと思ったり。自分には欠点がないと思いこんでいて少しでも自分を批判するものに対しては過剰に反発する、他者に責任転嫁することを平気で行う、体面や世間体のためには人並み以上の努力をする、他人に善人だと思われることを強く望む、といった感じですね。強いて挙げれば、他人と共生しないと生きられない人たちの事例が使えるかも(互いに利益があるから一緒に暮らしているという、生物学用語の共生とは違って、心理学でいう共生は互いに不利益だとわかっているのに離れられない関係のことをいうそうな)。
 暗い話になりそうだなあ。フィクションは読んで楽しいのが第一の目的なんで、それを満たせるかどうかっつーと、ちょっと自信がありません。自分で書いてて楽しくないし。

 なんつーか、魅力のないキャラですよ、この本に出てくる“邪悪な人間”は。みていて不愉快、うんざりするだけ。
 何号か前のジャンプの読み切りに出てきた悪役(?)みたいな……そのピアノがピアニストに害があるのを知ってるのに、ただ儲かるからという理由で弾き続けることを強制していたオッサン、悪者としては明らかに小物で、主人公に殴られて読者がすっきりするだけ、みたいなキャラがいたんですけど、フィクションの世界ではそんな役回りをするしかないなって感じの人たちを、患者あるいは患者の家族として面倒をみようとしているわけです、この本の作者のお医者さんは。愛をもって受けいれるしかない、とかいって。
 そして治療には基本的にすべて失敗している! 第一の理由は本人に治療する意思がないからなんだけど(自己批判の苦痛を死にものぐるいで、それこそ家族を犠牲にしようとも回避するのが基本だから。内省という概念をもっていない。あなたの息子が抑鬱状態なのは親に問題があるからだから治療を勧めると医師にいわれて、先生にも息子が治せないというのならきっと遺伝的に先天的な障害でもあるんじゃないか、と答えたりする。“完璧な良い親”という自己像を傷つけられるくらいなら息子を抹殺したほうがマシというようなことを平気で口にしている、なのに本人は自分が心から息子を愛していると信じている)。

 自分の意思で長期間にわたって通院してカウンセリングを受けたのにまったくダメというケースも載っていました。でもこれも結局は、治療する意志がなかったってことです。自分の精神がなんらかの病を抱えていることは知っている、その苦しみを取り除いてほしい。でもその過程でなにかひとつでも損をするのは嫌だ。治療してほしいけど自分を変えてほしくはない、ということを要求する患者だったわけで。その無茶な我が儘が通ると思っていて、通らないのは自分以外の周囲のものが間違っているからだと思っているのです。その患者はかなり高い知性をもっていて論理的な考え方ができる人なのに、そういうことを指摘されても、不快な思いをするようなことをいわれている、相手が悪いからだ、としか考えない。つまりストレスに晒されて一時的に精神が退行し、論理的な思考ができなくなるわけで、その部分が病的だと作者も分析しているわけですが、どうにも救いようがなかったようです。

 それでもなにか方法があるはずだから、この問題に相対することをあきらめてはならない、というのが作者の最終的な主張なんですけど、この作者自身も、こういう“邪悪な人”と話をすると恐怖感や嫌悪感をはっきり感じるといっているんですよね。そんな相手に対して愛を忘れてはならないといわれても……ねぇ。しかも相手は理不尽な理由でこちらを攻撃してくるんですよ。少年マンガにあるような、“だれがどうみても同情の余地もないような悪”を“倒す(排除する)”という解決方法が「正しくない」としているのは、まあ理解可能だとしても、じっさいに害をまきちらしている人を放置するわけにはいかんでしょう。加害者より被害者の人権をまず尊重しようよ。いやもちろん作者はそれをしたうえで加害者も見捨ててはならないといってるわけなんだけどさ。要するに社会にそこまで出来るほどの余裕を作れ、ということですかね。

 個人レベルでは、人間関係の経験を積んで被害者にならないようにする。こういう本を読んで知識を得るのも有効。
 2chを眺めていたときに印象に残っている意見があります。その男の人は「自分は異性をとっかえひっかえしちゃうタイプなんだけど、そういう自分からすると、合意でつきあってたのに都合が悪くなるとレイプされたと言いふらしたりするような女というのは一目みればわかる。表面的にはすごく人なつこかったりするからなし崩しにつきあうことになってしまう男もいるようだけど、そういう人は恋愛経験が少ないんだろうと思う。だってホントに、こいつヤバイって一目でわかるから。自分なら絶対、近づかない」というようなことを書いてたんです。なかなか含蓄深いお言葉じゃありませんか。

 一目みて、というわけにはいかないけど、こいつヤバイな~と私が思うのは、知り合ったばかりでまだよく知らない人のことをやたら褒める奴かな。しかも大仰な言葉(あの人はすごいとか、めちゃくちゃ優しいとか、才能あるとか)を使いたがるからわかりやすい。一ヶ月後には相手のことを最低な奴だとか裏切られたとかいってたりします。
 悪口いう人を避けるのはともかく、褒めるタイプを危険視する必要があると知ったのは、自分的にはけっこうショックでしたが。
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